夏目漱石の作品と名言!!百年後の今でも新しい!
代表作の1つである『こころ』が発行されて今年で100年。
私たちの心にフィットする夏目漱石は人気が高く、今でも読み継がれています。
時に私たちを励まし、人生の真理を教え、読み返すたびに新しい彼の小説集や書簡集は、永遠の座右の書でもあります。
現代でも受け入れられる、夏目漱石の作品
漱石は『吾輩は猫である』を皮切りに、後に代表作とされる『坊っちゃん』『草枕』、『三四郎』、『それから』、『門』、『行人』、『こころ』、『明暗』など中編・長編小説を15作品、
短編小説などを9作品、その他、評論・随筆・詩集など数多くを残しています。
漱石は幼い頃から身体が弱く数々の病気持ちでしたが、後期は胃潰瘍を患い生死の淵を彷徨っています。
その「修善寺での大患」ののちに書かれたのが後期三部作のうちの1つ『こころ』です。
夏目漱石の『こころ』
「先生」は学生時代に、ある女性に対する友人Kの恋心を知りながら、自分もその女性に恋をしていたことから、友人Kを自殺に追い込む言動をとってしまったのです。
その後、その女性と結婚した「先生」は、友人を殺してしまった自分のエゴイズムを後悔し、耐え切れずに自分も自殺してしまいます。
この人間のエゴと倫理観の葛藤を書くきっかけになったのは、明治天皇の崩御に伴う、当時の陸軍大将・乃木希典の殉死と言われています。
日露戦争で多大な活躍をした乃木希典は、賞賛される一方で、多くの兵を失ったことに対して自責の念を抱いていました。
彼の殉死は明治の日本のエゴイズムに対する批判の表れであり、それを「先生」の自殺と倫理観の葛藤で表現したものだと言えます。
夏目漱石の『月がきれいですね』
英語の授業で、I love you を「我君ヲ愛ス」と訳した生徒に、日本人なら「月がきれいですね、と言えば伝わる」と言ったことから、現代でも「好き」という代わりに、「月がきれいですね」といえば、ちょっとおしゃれ。
相手がこの意味をわかってくれたら、ますます好きになりそうですね。
では、漱石は何故そう生徒に言ったのでしょう。
『月がきれいですね』こう言うだけで、この感動をあなたとぜひ分かち合いたいという深い想いをわかってもらえるはずだ。
あなたに好意を持っているということが日本人であれば十分に理解できると考えたのです。
英文学に深く広い知識を持っていた漱石は、それゆえに日本語の美しさと日本人の思いを理解していたということが理解できるエピソードですね。
夏目漱石と名言
夏目漱石の名言は、時に心に突き刺さり、励まし、人生の真実を知らしめてくれます。
その多くの名言の中でも、弱った自分を特に暖かく励ましてくれる名言をあげてみます。
よし、もっと頑張れる、と思える名言
どうぞ偉くなってください。しかし、むやみにあせってはいけません。牛のように図々しく進んで行くのが大事です。 (芥川龍之介に当てた手紙より)
君、弱い事を言ってはいけない。僕も弱い男だが、弱いなりに死ぬまでやるのである。(森田草平に宛てた手紙より)
恐れてはいけません。暗いものを凝って見詰めて、その中から貴方の参考になるものをおつかみなさい。(『こころ』より)
失恋から立ち直るための名言
たいていの男は意気地なしね、いざとなると。 (『行人』)
色を見るものは形を見ず、形を見るものは質を見ず。 (『虞美人草』)
結婚は顔を赤くするほど嬉しいものでもなければ、恥ずかしいものでもないよ。(『行人』)
さあ、これで、勇気を持って人生を前へ突き進み、実らなかった恋を綺麗さっぱり捨てることが出来ますね。
夏目漱石の魅力は本当に尽きることがありません。ぜひいつもそばにおいて、事あるごとに読み返してみたい文豪の一人と言えます。
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