心筋梗塞とは?

 

心筋梗塞とは、プラーク(コレステロールが蓄積してできた動脈硬化の病巣)の破裂で生じた血栓が冠動脈に詰まり、冠動脈血流が止まって心筋の一部が壊死した状態のことを言います。

 

焼けるような激痛が長く続く発作が起きるのが特徴です。

壊死した部位は元には戻らないとされ、放置すると心不全を招くので緊急治療を要します。

 

スポンサードリンク

 

心筋梗塞 狭心症と動脈硬化

lady20140103

狭心症は冠動脈の血流が一時的に悪くなった状態を指しますが、心筋梗塞は冠動脈が完全に詰まった状態のことです。

 

動脈硬化が進むと血管が傷ついて出血を起こしやすくなります。

 

その出血を止めるためにできた血栓(かさぶたのようなもの)や、血管にできた粥腫(やわらかく不安定な動脈硬化)が崩れた部分をカバーするために血栓ができます。

その血栓が、冠動脈をぴったり塞ぐと心臓への血液供給が完全に止まってしまいます。

 

血液が、届かなくなった部分の細胞が壊死し心筋梗塞が起こります。

また、壊死の部分が大きくなると心臓の収縮や拡張ができなくなり、命に関わる危険な状態となります。

 

 

 

心筋梗塞の症状とケース

  • 焼けつくような激しい強い胸の痛み
  • 呼吸困難
  • 吐き気
  • 冷や汗

 

心筋梗塞を発症するまでのケース

  • 狭心症を何度も起こした結果、心筋梗塞を発症するケース。
  • いきなり、心筋梗塞を起こすケース。
  • 動脈硬化の初期の状態で、たまたま大きな血栓ができて冠状動脈が塞がれ、心筋梗塞になるケース。

 

心筋梗塞の前兆(時期・季節)

筋梗塞を発症した人の約半数は、前兆もなくある日突然急に激しい胸痛に襲われ心筋梗塞を発症していることが多いとされています。

 

 

心筋梗塞の前兆の特徴

  •  胸の中央や左胸部に鉛の塊をのせたような重苦しい強い痛みを生じます。
  • 焼けつくような激しい痛みです。
  • 痛みの持続時間は30分以上続きます。(狭心症の発作は15分程度)
  • 心筋梗塞の発作で生じるのは焼けつくような激しい痛みで、圧迫感があるのが特徴と言われています。
  • 冷や汗や吐き気を伴うことも多く、呼吸困難、ショック状態に陥る人もいます。
  • 痛みを生じるのは胸だけに限らないことも覚えておきましょう。
  • あごや喉、歯や肩、みずおちや腕、背中など激しい痛みを生じることもあります。

※他の疾患と間違えられることもあるので充分注意しましょう。

心臓病のある人や、以下の発症する時期は季節にストレスをためたり、急な温度差などで、心臓に負担をかけないように注意しましょう。

 

心筋梗塞の発症する時間と季節

  • 専門医の間では月曜日に心筋梗塞が多いと言われています。
  • 早朝や午前中にもよく心筋梗塞が起こると言われています。
  • 暖かい室内と寒い室外の温度差がある、寒い冬場(12月~3月)に多い。

※温度差で血圧に大きな変動が起こり、心臓に負担がかかるからです。

 

冬場の心筋梗塞予防

  • 脱衣室と浴室の温度差をなくして暖かくしておきましょう。
  • 入浴は短めに、湯船の温度は38度~40度と低めに設定しましょう。
  • 朝起きた時と、入浴前後にはコップ一杯の水分補給を。
  • 特にお年寄りや心臓が悪いご家族にはかけ声をかけてチェックしましょう。
  • 血圧が高い場合は入浴を控えましょう。
  • 外出する場合は、防寒着着用して寒さを調節しましょう。
  • タバコを吸われる方には、タバコは禁煙しましょう。

 

スポンサードリンク

 

 

急性の心筋梗塞

danger1

前ぶれもなくプラークが破れ大きな血栓が血管を塞ぐ『急性心筋梗塞』は特に危険とされています。

急性心筋梗塞の発作を起こした時は一刻も早く適切な治療を受けることが何よりも大切です。

 

肩(特に左肩)表面でなく、内部から圧迫されて痛む。

激しい痛みやズキンズキンとした痛みを伴うような酷いコリを感じる時は、急性心筋梗塞の前ぶれの可能性もあります。

ためらうことなくすぐ救急車を呼んで病院にいきましょう。

 

 

心筋梗塞の後遺症

心筋梗塞を発症すると、一部の筋肉組織が線維組織(自分から収縮することができない)に置き換わってしまうことで、心臓のポンプ機能が低下してしまうとされています。

ですが、心臓には予備の力があるため、少しぐらい低下しても日常生活や仕事には差し支えがないと言われています。

 

心筋梗塞発症後、冠動脈の壊死の範囲が広いとされる方は、命が助かっても後遺症が残ることもあります。

心臓ポンプ機能の低下、狭心症、心不全、不整脈、息切れ、階段を上る際に息切れ、疲れやすいなどの合併症が起こる可能性もあるとされています。

 

 

 

心筋梗塞の治療

doctor1

心筋梗塞の治療は、「カテーテル治療」と「冠動脈バイパス手術」が行われます。

 

最優先されるカテーテル治療

心筋梗塞の治療で最優先されるのが、血栓によって塞がれた冠動脈は早く再開する、カテーテル治療や血栓溶解療法を行います。

 

カテーテル治療(ステント留置療法)

  1. カテーテル(ステント)治療は、胸を開かずに、体への負担が少ない治療で、1週間以内に退院可能で、日常生活には影響はないとされています。
  2. 局所麻酔をし、太ももの付け根や手首、ひじから細い管を入れて行うのが、「カテーテル治療」です。
  3. バルーン(風船)のついたカテーテルを冠動脈の閉鎖部まで入れ、内部からバルーンを膨らませ、狭くなった冠動脈を押し広げます。
  4. ただし、バルーンで押し広げられた肝動脈は40〜50%が再び血管が細くなってしまうため、バルーンで広げた後にステントと言う金属製の筒を入れます。

さらにステントに薬剤をコーティングし、再狭窄を予防する「薬剤溶出ステント」もよく行われます。

このほか、血管にこびりついたプラーク(粥腫)をカテーテルから入れたドリルで削る治療法もあります。

さらに、動脈硬化が進行して石灰化し、バルーンでは押し広げられない血管を、ダイヤモンドチップのついた道具で削るローターブレーターという方法もあります。

 

冠動脈バイパス手術(冠動脈が狭窄を繰り返す場合)

狭窄や閉塞が起こった部位にカテーテル治療が適さない時や、狭窄や閉塞が多発している場合は、「冠動脈バイパス手術」を行います。

また、糖尿病で腎障害がある場合にも、「冠動脈バイパス手術」を行います。

 

スポンサードリンク

 

 

 

 

 

コメントは受け付けていません。

サブコンテンツ

このページの先頭へ