脳動脈瘤は、症状が現れにくい場合があります。原因を追求。あなたは大丈夫ですか?
脳動脈瘤とは、脳の動脈の一部がコブのように膨らんだもので、枝分かれした血管の弱い箇所に発症したものです。
動脈瘤の大きさは1~2ミリほどの小さいものから、30ミリにも膨らんだものまで様々です。
大きくなってくると膨らんだ動脈瘤の周りにある組織や脳神経を圧迫するなどして、様々な後遺症がでてきます。
破裂することで、くも膜下出血や脳内出血など発症します。
脳動脈瘤の症状
小さいものや大きさが変わらないものは、殆ど症状を現すことはなく、ある程度大きくなるか破裂しない限り症状を現さないとされています。
コブが徐々に巨大化してくると、それによって、神経などを圧迫し目の障害、顔の知覚低下や顔の麻痺、視野異常などの症状を発症します。
脳動脈瘤は、急な血圧上昇などの負荷がかかると、脳動脈にできたコブ(脳動脈瘤)が破れて激しい痛みと共に脳表面に出血します。
コブ(脳動脈瘤)が破裂して、血液が脳表面に広がると、これまでに経験したことがない激しい頭痛に襲われたりします。
吐き気や嘔吐、全身痙攣、重い意識障害や呼吸障害を起こし、命の危険もあります。
脳動脈瘤が破れると、くも膜下出血に!
脳の動脈にできたコブ(脳動脈瘤)が破れて出血する病気をくも膜下出血といいます。
脳は、内側から、軟膜、くも膜下、硬膜という3つの膜に包まれて保護されています。
軟膜とくも膜の間にある「脊髄液」で満たされた、すき間のことをくも膜下腔といい、その部分を通る血管にできた脳動脈瘤が破れて出血し、くも膜下出血を発症します。
脳動脈瘤の原因
動脈瘤は、動脈の感染により発症するとされ、細菌性動脈瘤とも呼ばれています。
癌や、頭部や頚部の原発性、転移性腫瘍により発症することもあるとされています。
家族歴もひとつの原因
脳動脈瘤は、遺伝的な疾病を持った人たちによく見られるため、先天的なものだとされています。
遺伝的な要因も指摘されているため、家族歴がある人は、数年に一度は「脳ドック」を受診されて、脳動脈瘤の有無を調べると良いとされています。
その他の主な原因
高血圧症、動脈硬化症、感染、腫瘍、頭部の外傷、喫煙、薬物乱用など。
脳動脈瘤の治療
くも膜下出血では、一度破裂した脳動脈瘤が再び破れる危険があります。
再破裂を防ぐ治療として、カテーテルを用いた「血管内治療」や、「開頭クリッピング手術」などの外科的治療が選択されることもあります。
カテーテル
一般的に画像や疾患により発見されることなく経過することが多いとされています。
そのため、脳動脈瘤の診断にはカテーテルを使った血管造影検査を行います。
患者さんにとっては、切開し骨を外すなどしないで良いので、肉体的な負担が少ない治療です。
造影剤を、体の中に流し込み静脈に異常がないか分析するための検査です。
脳内や頭蓋、頚部などの動脈や他の血管などの異常を検出し動脈瘤のようなすぐに破れそうな血管を見つけることができます。
検査の過程
血管造影室にて、局所麻酔の注射をして、足の付け根の動脈(大腿動脈)から、柔軟性があるカテーテル(直径2mmほど)を動脈に挿入します。
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カテーテルは、体の中の血管を通過して病巣の動脈へと挿入していきます。
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造影剤を血管の中に流して頭部や頚部の中を流れていきます。
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レントゲンで透視した拡大画像を見ながら、血管の形や走行など確認しながら、目的の部位の手前まで誘導します。
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カテーテル(直径2mmほど)の中から、今度はさらに細い管のマイクロカテーテル(直径0.5mmほど)を目的の部位まで挿入し、これを操作して治療し病変があれば、検出することができます。
脳動脈瘤の開頭クリッピング手術
開頭クリッピング手術は、全身麻酔により頭蓋骨を切り取り、顕微鏡を使って動脈瘤に血液を供給する血管を露出して、血流を遮断します。
小さな金属クリップを動脈瘤の根元にかけて、動脈瘤の血液の流れを遮断する手術のことです。
クリッピング術によって、クリップは体内に残され、動脈瘤にクリップがかけられることで、再破裂することはないとされています。
脳動脈瘤の後遺症
脳動脈瘤が破裂することによって、くも膜下出血や脳内出血を起こし、血管外にあふれ出た血液が脳を圧迫することで、脳が部分的に障害を起こすことがあります。
そのことによって、言語麻痺、体の片側の麻痺などの後遺症をもたらし、日常生活の質を低下させてしまう原因となってしまいます。
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